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エアコン(とくに冷房機能)の使用後は、カビが生えやすい状態になります。 夏本番前に、エアコン内部(フィンとファン)にビッシリついたカビを除去して快適に使いましょう。
エアコン「ファン」の汚れ=ファンから汚水は室内へ
エアコン「フィン」の汚れ=フィンから出た汚水は室外へ
上記画像は、エアコン掃除後に排出された薬液と水。 毎年掃除していても、1年間でこれだけ、ホコリやカビが溜まります。 1年以上掃除していない場合は、この程度では収まらず、真っ黒の水が満タンになるでしょう。 夏の間、毎日吸い込むことになり、肺の病気にならないほうが不思議なくらいです。
ホームセンターに行くと、エアコン掃除用に市販のスプレーが各メーカーから販売されていますが、大抵は「フィン用」で、「ファン用」は見かけることはありません。
エアコンの説明書には「自分で分解したり、ファン部分の掃除を禁止」していることが多いことも理由のひとつかもしれません。
フィンの部分をクリーニングしただけで、掃除した気になりがちですが、肝心の空気が出てくる分(シロッコファン)の中がカビだらけなので、フィンをいくら掃除しても効果が出ないことも多いです。
フィンにカビが発生しているのであれば、ファンは何倍ものカビがいるはずです。 掃除したことがない人は試してみるとよいでしょう。
まず、電源スイッチを切り=コンセントを抜く(超重要=1.感電を防ぐため、2.回転するファン内に指を入れないようにするため)、ファンの中に綿棒を突っ込んで擦ってみると、ホコリと黒いカビがビッシリと付着します。
これは、冷房を使った際に、結露した水分にホコリが付着し、そのホコリにカビが付着したものです。 暗くて内部が確認しづらい場合は、懐中電灯などで照らしてみると、シロッコファンの奥のカビが確認しやすくなります。
では、そのカビ自体はどこから来ているのかというと、自然の中に「微生物=真菌(目に見えない)」として存在していて、それが一定条件下でカビとして目に見えるようになります。(カビの元=真菌を断とうとすること自体は無理がある)
その条件は、
温度条件
発生条件は、10度~35度で25度前後で活発に発生する。
36度を超えてくると発生が止まる。
湿度条件
空気中の水分が多いとカビが生える。
湿気が多い状態。→エアコンの冷房を使った際は湿気が多くなる。
カビが生きるには、 酸素が必要。
エアコンのクーラー(冷房)使用後はカビが生える条件にピッタリであるため、カビだらけになりやすいのです。
カビだらけのエアコンを使い続けると、呼吸器系のアレルギー症状(咳)や、夏型過敏性肺炎、カビ肺炎など、肺の病気になります。 体調が悪いことに気づいたら、即エアコンを停止し、カビの除去しましょう。
エアコンをつけたらカビのにおいがする、送風口から黒いカビが見える、ファンに綿棒を突っ込んだらカビがついてきた、などであれば、その時点で対処するのが望ましいです。
既に、体調不良になっている場合は、業者に依頼するほうが無難です。 その際、完全に分解して清掃する業者と、フィンや表面上しか清掃しない業者がいるので事前に確認しましょう。
安すぎる業者は避け、薬剤コスト、人件費、出張費などからみても、1万円以下のところは採算が合わないので、どこかで手抜きをしていると考えられます。
もちろん、自分で掃除するとコストを抑えられます。 次の段落から自分で掃除する方法を説明します。
「自分でやると逆効果」という業者もいるが、これは仕上げに乾かさずに中途半端なやり方で行ってしまうと、結果的にカビが増えてしまい、逆効果になることもあるということを意味します。 「フィン」の掃除は楽ですが、「ファン」の掃除はとても大変なので、準備をしっかりしましょう。
ショーワ SHOWA「くうきれい AFC-501」エアコン送風ファンクリーナー(養生シート付き)
3本セットがお得です。 市販では滅多に見かけることが無いファン専用タイプです。
アルミフィンクリーナー エアコン洗浄プロ505 (業務用プロ仕様) エアコン洗浄剤
これはフィン用ですが、ファンにも使えます。 プロ用なので、超強力、取り扱いに注意が必要です。 取り扱いが怖いと思う方は、市販の弱い薬剤のほうが無難です。
工進 ミスターオート 蓄圧式噴霧器 4L HS-401E
先ほどのクリーナーを水道水で1/20程度に希釈し、この噴霧器に入れて、フィン、ファンに直接噴霧。 ファンは、噴霧器の先っぽで回転させながら、満遍なく噴霧。 洗浄液を噴霧した後は、きれいな水で何度か洗い流す。
壁掛用 エアコン洗浄カバー KB-8016
エアコン洗浄カバー。 これがないと、洗浄液が部屋内にまき散らすことになります。 大きなゴミ袋でも代用可能です。 専用品だとより使いやすいが、ちょっと高いです。 これは3回分。
E-Value 眼鏡の上から掛けれる 安全ゴーグル EG-3
上から飛沫が落ちてきやすいので、ゴーグルをかけていれば安全です。 薬液が強い場合、失明する可能性もあるので、必ず保護しましょう。 このゴーグルは非常に安い上、他の用途にも使え、おすすめです。
時間がある日
カビ掃除をするには、少なくとも2~3時間位はかかるので、時間のある日に行いましょう。
慣れてきても2時間は掛かります。
養生、掃除、片付け、入れ替えに時間がかかります。
2人以上でやると、高い位置での養生が楽です。
シロッコファンを完璧に掃除しようとすると5時間くらいは掛かるので、どこまでカビやほこりを取り除いたら満足できるかで時間は変わります。 もちろんプロであれば別です。
風のない日
風の少ない日に行いましょう。
風が強すぎる日は、噴霧した薬液が戻ってきて大変なことになります。
強力なアルカリ性の薬液は肌につくとビリビリし、目に入ると失明する危険性があるので注意が必要です。
エアコンの送風機能は扇風機の代わりにあるわけではなく、空気循環(サーキュレーター)や、結露を防ぐためにあるので、冷房後に室内機を送風機能で30分~1時間程度運転させ、乾かしてからオフにします。
送風している間に出かける場合は、切タイマーをセットしておけば良いです。 最近のエアコンは「自動乾燥」機能がついているものも多数あります。